5月の礼拝説教から |
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聖書 使徒言行録15章12〜21節 |
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12すると全会衆は静かになり、バルナバとパウロが、自分たちを通して神が異邦人の間で行われた、あらゆるしるしと不思議な業について話すのを聞いていた。13二人が話を終えると、ヤコブが答えた。「兄弟たち、聞いてください。14神が初めに心を配られ、異邦人の中から御自分の名を信じる民を選び出そうとなさった次第については、シメオンが話してくれました。15預言者たちの言ったことも、これと一致しています。次のように書いてあるとおりです。 |
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(c) 日本聖書協 会『聖書 新共同訳』 より |
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説教 「異邦人の中からも信じる民を」 | |||||
「神が初めに心を配られ、異邦人の中から御自分の名を信じる民を選び出そうとなさった」(14節)。 | |||||
シリアのアンティオキア教会は、ユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者が一緒になって出来た群れです。ユダヤ人の厳しい異邦人蔑視や、お互いの習慣の違い。そうしたものを超えて信仰共同体を形成していました。この教会は、キリストの福音の真実と可能性を教えてくれます。福音に信実に生きるならば、わたしたちも敵意という隔ての壁を乗り越えることができるのです(エフェソ2章14~22節)。 ところが、ユダヤから来た人たちが、「モーセの習慣に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と教えていた、といいます(1節)。「キリストを信じる信仰によってのみ救われる」と教えられて来た信徒たちは戸惑った筈です。しかし、それで済まされる話ではありません。福音の本質と教会の今後にかかわる大問題です。事態を重く見たアンティオキア教会は、パウロやバルナバたちをエルサレムに派遣しました。こうして、初代教会最初の大きな会議、使徒会議が開かれます。 「わたしたちは、主イエスの恵みによって救われると信じているのですが、これは、彼に異邦人も同じことです」(11節)。ペトロはそう言って基調演説を結びました。会衆が静まりかえる中、バルナバとパウロは、異邦人伝道における主の御業と成果を報告しました。しかし、ペトロもパウロもバルナバも、異邦人伝道に携わって来た人です。教会がふさわしい判断をするためには、違う立場からの意見も必要です。 そこで、主イエスの弟・ヤコブが意見を述べました。迫害の中、エルサレムに留まりユダヤ人に福音を宣べ伝えている人で、信徒たちに信頼されていました。彼は、神が異邦人の中から御自分の名を信じる民を選び出そうとしておられることを、旧約聖書を紐解いて示しました。そして、自分の意見をこう添えます。「わたしはこう判断します。神に立ち帰る異邦人を悩ませてはなりません」(19節)。 主イエスが「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいる」(マタイ福音書18章20節)と言われたことを思います。わたしたちは「キリストの名によって集まる」のです。教会は、主の御心が行われるためにあります。会議も同じです。誰一人として神の真理の「かけら」を持たない人はいません。また、誰一人として神の真理を独占する人もいません。 |
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(5月3日の礼拝説教から。牧師井上一雄) | |||||